先月(2月)、ウェルシュ菌の食中毒が発生しましたが、寒い時期であっても食中毒は発生します。
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2月にも仕出し弁当屋さんでウェルシュ菌の食中毒が出たのは記憶に新しいかと思いますが、
2月ってぶっちゃけ寒いですよね!?
でもそんな寒い時期でも食中毒は発生します。
仕出し弁当屋さんや学校給食などの大量調理施設では、一度食中毒菌が発生するとそれが多くの人が口にすることになります。
食中毒の原因となる食品も大きな釜でまとめて作られるので、一歩間違えれば大事件になります。
なのでポイントを押さえて食品安全に努める必要があるんです。
出来あがった商品に後から食中毒菌が混入することにより発生するケースもありますが、食中毒菌などの微生物は自然界に広く分布しており、これらをゼロにすることは不可能です。
それよりも食中毒管理で重要なのは、食中毒菌を増やさない努力です。
そもそも加熱不足で食品中の食中毒菌が死ななかったって場合もあり得るのですが、
キッチリ加熱した後の食品でも場合によっては食中毒菌に汚染されて食中毒を引き起こす場合があります。
増殖の条件としては、
などの要件があります。
醤油などは基本的に常温保管ですが、あれは、醤油自体が微生物が生育できる環境にないからです。
微生物が生育しやすい条件の食品に関しては、温度管理などをシビアにして菌が増殖しない仕組みをつくる必要があるのです。
では、食中毒菌を増殖させないためにはどの様な温度管理が必用になってくるのでしょうか?
微生物には不活性温度域というものがあります。
つまり微生物が元気に活発に活動して増殖できる温度帯です
この温度であれば一部を除いて多くの微生物は活動できなくなります。
加熱調理を前提とした食材はもちろんですが、
まずはしっかり火を通しましょう。
ここ最近様々な方がプロ並みに美味しい料理を作ることが当たり前になってきましたが、その中で流行しているのが
低温調理です。
定温調理は素材の良さをうまく使えるために美味しさには欠かせない調理方法ではありますが、食中毒菌を殺しきれないという問題点もあります。
この辺りのリスクをしっかり考慮した上で調理していきましょう!
そして意外と知られていないのが、
加熱後の速やかな冷却が食中毒対策になる
ということです。
微生物にはその種類にもよりますが、一般的に増殖しやすい温度というものがあります。
食品中の食中毒菌の増殖を抑えたいのであれば、一般的な微生物が好む温度を速く通過させる必要があります。
細菌による食中毒防止には、食材の加熱はもちろん加熱後の冷却が欠かせません。
しかも冷却時間が長ければ、その間に空気中の細菌が再付着したり、細菌の繁殖が活発化する危険性が高いため、
加熱後は、すばやい冷却が求められます。
厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」にも、加熱後は60分以内に10℃以下まで冷却するように書かれており、その重要性が感じ取れるかと思います。
しかし給食センターや、納期がシビアに決まっている食品メーカーなどは、製造量の多い場合や、夏などの熱い時期などには口で言うほど簡単に冷却出来ない事業部も多いのではないでしょうか?
急速冷却が出来る機器も販売はされていますが、大量調理施設向けのものであればコストもかなりかさんでしまいます。
私が以前いた組織では、消費期限が2日しかない商品を製造していたのですが、繁忙期は冷却機器がフル回転で本当に大変でした。
食中毒と言えば夏場に限定したものというイメージがありますが、実際のところ製造環境によっては
冬でも十分に起こり得ます。
厚生労働省の手引き(大量調理施設衛生管理マニュアル)などに管理の重要点が記載されているので、安全な食品提供の為にも確認してみてくださいね!
次回は実際に食品工場で使用されている冷却機器について解説します。
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