本記事では以下の方を対象にしています。
・ISO9001って認証取得を受けている会社が多いけど、取得して何かメリットはあるの?
以下記事で解説して行きます。
Contents
ISOとは国際標準化のことで、ISO9001はその中の中核となる「品質」についての規格です。
元々ISOは国ごとにある規格の違いを統一して便利な世の中にしましょうという発想の元作られたものです。
例えば非常口のマークはISOで統一されたものと言うのは有名な話です。
この標識に対する認識が各国で異なった場合、在籍している国ごとに非常時の対応は違ってきてしまい、非常時に逃げ遅れてしまう人が出てしまいますよね?
そうならない為に、世界中の人が非常口の表示を見て、
ここが非常口だ!
とすぐに分かる方が世の中便利なわけです。
非常口の例に関わらず、ISOはこの様な形で世界中のものやサービスをできるだけ共通にして、内容を平準化させて便利にしましょうという考え方で作られています。
非常口表示の参考記事はこちら↓
https://president.jp/articles/-/16441
しかし実際のところ世の中には実に様々な産業があり、全ての規格を1種類のISOに統一するには無理があります。
現状としてISOのナンバーは17000近くあるとされていて、世の中にこんなにも多くの産業があるのかと驚かされます。
それぞれのISOごとに要求事項や章立ても異なる為、この章立てを可能な限り共通化しようという動きもあります。
食品安全に関わる規格であるISO22000が2018年に更新されましたが、その際には章立てをISOの核となる規格のISO9001に合わせることになりました。
この様にISOの規格同士でも少しずつ共通化しようという流れもあるのです。
ISO9001を取得するメリットとしては以下の内容が挙げられます。
・サービスや商品の品質が安定する
・取引のチャンスが増える
・顧客満足度に繋がる
・会社が儲かる
・仕事がしやすくなる
・役割分担が明確になる
以下記事で解説して行きます。
ISO9001を取得することの最も大きなメリットは、
社会的な信用が得られることから取引のチャンスが増えるということでしょう。
ISO9001を取得した企業としか取引しないという方針の取引先は、サービスや商品の安定した品質を求めているのです。
日によって作る商品やサービスにムラがあったら顧客満足にも影響しますし、ヘタしたらクレームや商品回収にも繋がりかねません。
現在は社会的信用が企業にとっては重要な要素となっているので、多くの会社が確実な業者を選択肢てビジネスをしたいのです。
ISO9001を取得するということは、商品やサービスの品質が安定すると言いましたが、これは言い換えると
組織内のマニュアルが徹底しているということです。
マニュアルが徹底すれば必然的に仕事の効率も向上しますし、仕事の効率が悪いよりも従業員の士気も高くなりますし、その結果として会社としてはコストダウンにもつながります。
最近ではマニュアルという言葉が悪く使われがちですが、マニュアルすら完備されていない組織に更なる発展はありません。
また、これは審査機関の方針にもよりますが、株式会社であれば利潤の追求が目的となるわけですが、厳しい審査会社は事業計画についても追及します。
儲けに繋がる様な活動を組織が出来ているのか?
出来てない理由や、もうけを出すためにはどうすればいいのか?組織を取り巻く状況にはどんなものがあるのか?
などといった内容をプロセスアプローチを元に指摘してPDCAに繋げていくわけです。
ISO9001を取得するデメリットについては以下の様になります。
・取得するまでが大変
・すぐに金にならない
・何のためにやっているのか従業員に説明するのが大変
以下記事で解説して行きます。
まず、取得するまでが大変と言う事ですが。
ISO9001を取得するには、社内のマニュアルを整備したり、部門ごとに目標を作ったり、PDCAを回したり、ISO会議を設けるなど取得するまでの労力が最初は大きいです。
それだけの労力をかけるのにすぐにお金にならないのもISO取り組む中で、従業員のモチベーションが今ひとつ上がってこない要因です。
また、ISO9001自体が何のためにやっているのかを従業員に周知されていないことが多いです。
忙しい中ISOの業務をしているうちに従業員の中で、何のためにこの無駄な仕事をやっているのかと言う気持ちが徐々に芽生えてきてしまいます。
日々の業務も忙しい上、ISOにも取り組まなきゃいけないと言うことで、ISOはどんどん悪者扱いされます。
ISOうまく浸透させるには、経営者が自らISOを取得することの目的や会社にどのようなメリットがあると言うことを従業員にわかりやすく説明する必要があります。
経営者が説明をするのに難しいのであれば、コンサルタントなどに任たり、研修会に皆で参加するというのも手でしょう。
ISO9001を取得することで、その先にどんな明るい未来が待っているのかを従業員に説明するだけでも社内で取り組むISO業務もかなり質の高いものになってくるでしょう。
ISO9001に限ったことではありませんが、ISO業界では二極化が問題になっています。
ISOを取得しているか否かは取引をする上で必要最低条件とされる傾向にあり、これ自体はISO本来の狙いなので非常に良い事です。
しかし、問題はISOの認定機関の審査方法が以下の様に二極化してしまっているのです。
・簡単な指摘だけして、組織が確実にISOを取得できるようにする。
・組織を良くするために、仕組みを変えなくてはいけない様な指摘をする。
ISOの本来の姿であれば、後者の審査がISO9001の審査としては正しいです。
しかし、本当に根本から是正しなくてはならない指摘をした場合に、企業がISO9001を取得できなければ取引できずに機会損失をしてしまう場合もあります。
以下、そんなISOの2極化について解説致します。
2極化してしまったISO9001ですが、どちらもビジネスとしては立派に成立しています。
つまり簡単な審査で指摘があったとしても直すのにそこまで難しくなれなかったものがあるとすれば、企業としては簡単にISO9001の証明書が手に入りますし社内の力も少なくて済みます。
しかしこれだけではISO9001自体の質が落ちてしまいます。
簡単な指摘ばかりしていると、商品の品質がぶれてしまったり、サービスの質が落ちてしまったりすることもあります。
審査機関はいくらそれがビジネスだったとしても、ISO9001が本来の働きとして機能しなくなるまでの状態は放置してはいけないのです。
私がかつてメーカーにいた頃にこういった審査会社に審査されたことがありますが、冷蔵庫の中に置いてある使用期限ラベルについて指摘をされたり、整理整頓がされていないところを写真を撮られ、その出来事だけを指摘材料として挙げられました。
当然そういった事は修正は非常に簡単ですが、お金を払って審査しているのにこの程度しか出席してくれないのかと私は思ったものです。
例えばそういった指摘をするのであれば、冷蔵庫のラベル管理をできていない原因をたどって指摘をするべきです。
例えばそこの教育体制に対して切り込むなどISOで決まった事が従業員に周知されない原因について追求すべきなのです。
そこが改善されればこういったミスも根本から是正されるわけですし、現場も徐々に改善されていきます。
今回はISO9001についてざっと解説してみました。
ISO9001でも他の規格についてもそうですが、本来であれば会社を根本から良くするのに非常に優れたシステムです。
様々な企業をコンサルさせてもらって感じるのが、経営者がそもそもISOに前向きじゃなかったり、従業員が良く分からないままISOに取り組んでいることが余りにも多い印象をうけます。
この先に受診を予定している企業の方も、これからISOについて検討してみようと考えている企業の方も少しISOについて知識を深めるとそのメリットに気が付くかもしれません。
特にもうけに繋がることもあるので、個人的にはオススメです笑。
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