本記事では以下の方を対象に書いています。
・ISO9001の要求事項に出てくるプロセスアプローチの意味が良く分からない
・組織でプロセスアプローチを可視化するにはどうすればいい?
・ISO9001の審査ではプロセスアプローチはどの様な形で審査されるのか?
・プロセスアプローチってどんなメリットがあるの?
以下記事で解説して行きます。
Contents
プロセスアプローチの記述に関しては規格要求事項には以下の様に書いてあります。
ちと分かりにくい表現ですね。
ISO9001 は、顧客要求事項を満たすことによって顧客満足を向上させるために、品質マネジメントシステムを構築し、実施し、その品質マネジメントシステムの有効性を改善する際に、プロセスアプローチを採用することを促進する。
プロセスアプローチの採用に不可欠と考えられる特定の要求事項を4.4に規定している。
システムとして相互に関連するプロセスを理解し、マネジメントする事は、組織が効果的かつ効率的に意図した結果を達成する上で役立つ。
組織はこのアプローチによってシステムのプロセス間の相互関係及び相互依存性を管理することができ、それによって組織の全体的なパフォーマンスを向上させることができる。
つまり
IS9001を有効に機能させるためにはプロセスアプローチの考え方を使ってね!
ということです。
プロセスというと、普段の仕事であまり聞きなれない表現ですが、要するにプロセスとは私たちの仕事のことです。
そしてこのプロセスの集まりをISO9001ではシステムと呼んでいます。
つまり、自動車メーカーに部品Aを提供するメーカーがあったとしたら、システムから出される商品(アウトプットと言われるもの)が自動車メーカーに納品される部品Aになります。
そして、プロセスは皆さんの仕事の工程です。
例えば
・給与計算
・業務の受注
・原材料の購買
・部品Aを作るための各工程
・従業員の給与計算
・会社としての目標
・社内の作業マニュアル
・部品を作るための工具
・従業員の教育計画
上記はあくまで一部ですが、これらがプロセスの例になり、私やみなさんが日々必死こいて取り組んでいる仕事です。
これらが集まって部品Aが自動車メーカーに提供されているのです。
では結果的にこのプロセスアプローチはどの様に確認されるのでしょうか?
これは、顧客満足の考え方がまず大前提としてあります。
なぜならISO9001の目標はこの顧客満足を目標としているからです。
そうなると、ISO9001 ではどうすれば顧客満足を満たしていると言えるのかを知っておく必要がありますが、これも堅苦しい表現で解説されています笑
ISO9001では顧客満足については以下の様に記述しています。
顧客要求事項および適用される規制法令要求事項を満たしたサービスを一貫して提供すること。
これが満たせていればISO的に「顧客満足を満たしている」と言えるのです。
そしてISO9001の正しい審査の方法としては、この顧客満足が出来ていないところからプロセスアプローチしていくことです。
各プロセスの意図した結果を達成しているかどうかを確認することで判明します。
規格要求事項の言葉を使ったので、ちょっとわかりにくいですね。
つまり意図した結果とは先に上げた自動車の部品メーカーの場合は「良品」ということです。
例えばこの部品工場でA工程から仕掛品がB工程に渡って、そこで不良品が出たとします。
つまり不良品がでたということは意図しない結果ということになるので、その原因についてプロセスを確認するのです。
・マニュアル通りに従業員が作業していなかった
・そもそも作業手順書がなかった
・従業員が必要な教育を受けていなかった
・製造計画に無理があった
・原材料が最初から悪いものであった
上記は例えの一部ですが、不良品が出ている理由が分かったらその原因についてプロセスアプローチしていくのです。
プロセスアプローチについて解説してきましたが、それをできたことで最終的に意図した結果(良品)に繋がり、顧客満足につながることは述べてきました。
分かりにくいですが、規格要求事項にはプロセスアプローチで実現できることとして以下の様に書かれています。
a)要求事項の理解及びその一貫した充足
b)付加価値の点からのプロセスの検討
c)効果的なプロセスパフォーマンスの達成
d)データ及び情報の評価に基づくプロセスの改善
これがつまり意図した結果を達成して顧客満足を得ることで、これがプロセスアプローチで実現するわけです。
前項で審査方法についての解説をしましたが、審査機関によってはそうでいった審査をしない場合もあります。
審査機関もビジネスなので顧客のニーズに合わせて審査を行います。
審査機関にとっての顧客と言えば大抵は審査を受診する企業です。
この企業も実際様々な利害関係のもとに生産活動を行っており、どうしてもISO9001が取引に必須という場合があります。
そうした時にはどうしても確実に認証をくれる審査機関が必要になるのです。
つまり、簡単な指摘しかしない審査機関ということです。
これは本来のISO9001とはかけ離れた審査となってしまいますが、ビジネスなのでこれはこれで成り立ってしまっているのが現状です。
ただ、どうしてもISO9001 を使って組織を良くしたいのであれば、しっかりプロセスアプローチの考え方を元に
顧客要求事項および適用される規制法令要求事項を満たしたサービスを一貫して提供すること。
これを満たせていない時に組織のありかたを要求事項に沿って修正していくことです。
今回はISO9001のプロセスアプローチについて解説してみました。
皆さんの仕事でも次工程に渡った時に意図した結果、つまり良品が提供されているか振り返って、問題なければそのプロセスは問題ないということです。
私も日々気を付けながら仕事しなきゃなと感じますね笑。
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