本日は飲食店のHACCP義務化対策について解説しようと思います!
大手食品メーカーはこれまでにHACCPやISOの審査を受る機会も多く、今回のHACCP義務化に対してもそう慌てずに対策を打つことが出来るかと思います。
しかし大変なのは飲食店ではないでしょうか?
お店をどういう状況にしておけばいいのか教えてほしいな。。
こんな疑問を持つ飲食店の方は多いのではないでしょうか?しかも今回の感染症騒動で経営状況もかなり大変なので、できるだけお金はかけたくないというのが本音だと思います。
はじめまして、磯次郎と申します!
前職は大手食品メーカーで働き、
・商品開発
・社内工場のISO9001・ISO22000・HACCPの構築
現在その経験を活かしてコンサルタントとして活動中です!
大企業・中小企業問わず、数多くの経験を積ませて頂いてきました。
当ブログでは、話を聞く中で皆さんが特に疑問に思われていたことについて解説させて頂こうと思います。
Contents
飲食店のHACCP対策はどうすればいい?
飲食店のHACCP対策は、まずはどこからチェックされて、どんなことが出来ていればいいのかが気になるところです。
解説して行きます。
飲食店のHACCP対策状況は「保健所」が確認に来ます
食品工場でも飲食店でも保健所とやりとりをすることはあるかと思います。
例えば営業許可の更新時や、何らかのタイミングで立ち入り確認をされることがあるかと思いますが、タイミングとしてはこの時です。
この時にHACCPに沿った衛生管理が出来ているのか確認されることになります。
審査機関によるHACCP審査とは異なり、保健所からチェックされた内容でHACCPの認証をもらえるといったことはありませんが、
ハセップなら原則の考え方に基づいて、ちゃんと衛生管理計画の作成や実践がなされているか監視・指導が行われます。
HACCP対策の状況はどのような点を確認されるのか?
生肉など温度管理の必要な食材や食品の保管・販売や食品の小分け等を行う際には、公衆衛生上の観点からハセップに沿った衛生管理を実施する必要があると考えています。
例えば
- ちゃんと食中毒菌が死滅するまで加熱しているか?
- 冷蔵保管が必要なものは冷蔵保管しているか?
- 保管温度の順守以外に原料の取り扱い状況は悪くないか?
- 営業するにあたり必要な手順を踏んでいるか?
といった辺りです。
確認に来る保健所の人のレベルもいろいろ
保健所の人も食品メーカー出身という人はほとんどおらず、ただの公務員です。
自分が確認に訪れた組織を細かくチェックして、持ち帰って他の事例と照らし合わせてそれを自分の蓄積にして次回に生かす。そこまでちゃんとやる人はあまりいない(というかできない)と保健所の方に聞いたことがあります。
だからと言ってHACCP運用をいい加減にするというのは間違いです。
保健所の人が勉強不足であるなら、それ以外の店舗にどんな管理をしているのか情報を取り、保健所の人が詳しい人ならその保健所の人から色々と教えてもらえばいいのです。
保健所も色々と聞いてくる店舗の人であれば何かあった時にも味方になってくれることはあります。通常の人間関係と一緒です。
分からないことがあったら私でもいいので聞いてください。
【補足】食品メーカーの場合
かつて私が働いていたのはチルド(冷蔵)弁当を製造している食品工場でした。
なので実際に工場の中に入るだけでなく、ランダムな日にちを指定されてその日の製造日報(何時にどのロットの品温が何度にまで達した等の記録)を確認されました。
特に保健所が気にしていたのはアレルゲンのコンタミです。
アレルゲンコンタミがあるか否かはランダムに商品を持ち帰られて、
その食品表示に記載されているアレルゲン以外が検出されないかは確認されました。
日ごろの清掃をきちんとしていれば問題ないのですが、仮にここで問題があった場合は清掃方法を指導されたり、清掃後のチェック体制をどうするのか等を問われる形になるかと思います。
ただ、外部の審査ほど厳しい要件ではなかったのでクロージング含めて3時間ほどで終了しました。
そこで問題があった場合、営業停止になるのか?
問題があっても営業停止にはなりません。
しかし、あまり管理状況が芳しくない場合はチェックの対象とされてしまいます。
具体的には
- 衛生管理計画の提出を要求される
- 計画した通りに行われているか定期的に確認されるか、次回の立ち入り時に確認される
上記の2点の策定・順守を行わない場合はまずは行政指導が行われます。
その中で事業者が行政指導に従わずに人の健康を損なう食品を提供する可能性があると判断された場合、
改善が認められるまで営業停止
などの行政処分が行われることがあります。
保健所はどのような業態を確認に来るのか?
基本的に公衆衛生に与える影響が小さいと考えられる業者に関しては、衛生管理計画の策定を要求される可能性は低いです。(今のところ聞いたことがありません。)
但し、私がかつて務めていたような原料や商品の温度管理などが必要なものに関しては対象となります。
取り扱う商品に関しては上記の内容で立ち入り基準が構築されるようですが、消費者が保健所に「この食品食べて体調が悪くなった」などの情報が何度か保健所に入った場合、取り扱う食品の種類に関わらず保健所が立ち入りに来ることはあります。
HACCP運用は組織を守ることに繋がる
実際にHACCPを店舗で運用することは自組織を守ることにもつながるので、オススメです。
例えば、悪意のあるお客さんへの対策にもなると思います。
これは私がかつて審査した企業の例になりますが、クレーム事例を確認していたところ、大手コンビニチェーンに納入していた商品が腐っているとお客さんからクレームがあったという記録がありました。
クレームの電話をしてきたのは「コンビニのお店」です。
それをさかのぼると、HACCPの記録表ではしっかり加熱記録も冷却記録も、店舗までの温度記録も問題ないことが分かりました。
当然同じロットで製造された他の店舗で納品された商品も問題ナシ。
結果的にお店の冷蔵気が壊れていたことが分かったのです。
HACCPで温度記録がしっかり残っていたので、メーカーとしての管理は問われなかったのです。
このように記録をいつでも提示できるのがHACCPの良い例でしょう。
まとめ
HACCP義務化が発表されて、皆さん準備を進められているかと思います。保健所が確認に訪れた時に分からないことがあれば、逆に色々と運用で困っていることを逆に質問してもいいと思います。
その他、分からないことがあればお気軽に連絡くださいね!
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