ISO22000:2018の規格変更の解説です。
今回は「②プロセスアプローチに基づく2つのPDCAサイクル」についてです。
そもそもPDCAサイクルって何ですかって話ですが、これについては別記事で解説しようと思います。
Contents
ISO22000:2018の規格変更について解説「②プロセスアプローチに基づく2つのPDCAサイクル」について
ISO22000:2018から「リスクに基づく考え方」が導入された
新規格から「リスクに基づく考え方」が導入されることとなりました。
これによりマネジメントシステム全体のPDCAサイクルも同時に回す必要がでてきました。
うちの工場はISO9001は取得しているからマネジメントシステムのPDCAサイクルは回せているけど、
なんでもう1つあんのよ。。これ何!?
2つのPDCAサイクルってのはここなのよ。
食品工場であればHACCPとか今までやってたと思うけど、あの中では食品安全のPDCAを回してこなかったかな?
それと9001のマネジメントシステムと合わせて2つのPDCAサイクルを回してってことだよ。
ISO22000:2018からは「2つのPDCAサイクル」を回す必要ができた
新規格からは、リスクに基づく考え方が盛り込まれました。
これまでのISO22000では食品安全のマネジメントシステムのみを回す形となっておりました。
しかし新規格になってISO9001の概念が追加されると、リスクベースによる
組織全体でのマネジメントシステムのPDCAサイクル
も回す必要も出てきたのです。
「組織全体のマネジメントシステム」のPDCAサイクルについて
マネジメントシステムには、「組織の計画及び管理」において
PDCA
という考え方があります。
よくビジネスやスポーツのトレーニングを振り返る時に使われるアレです。
まず、マネジメントシステム全体のPDCAサイクルには以下の項目が該当します。
マネジメントシステムの「PLAN」
- 4.組織の状況
- 5.リーダーシップ
- 6.計画
- 7.支援(外部提供を含む)
マネジメントシステムの「DO」
- 8.運用
マネジメントシステムの「CHECK」
- 9.パフォーマンス評価
マネジメントシステムの「ACTION」
- 10.改善
「食品安全マネジメントシステム」のPDCAサイクルについて
続いて、食品安全マネジメントシステムのPDCAサイクルについてです。
その前にそもそも、食品安全マネジメントシステムのPDCAは、全体のPDCAの中のどこに入るのか?という話ですが、これは
「運用」の中に入ります。
食品安全マネジメントシステムのPDCAサイクルは、HACCP原則によるPDCAサイクルのことです。
ISO22000:2018は両者をしっかり回すことが求められます。
食品安全マネジメントシステムのPDCAサイクルには以下の項目が該当します。
食品安全のPLAN
- PRPs
- トレーサビリティーシステム
- 緊急事態への対応
- ハザード分析
- 管理手段の妥当性確認
- ハザード管理プラン(HACCP/OPRPプラン)
- 検証計画
食品安全のDO
- 食品安全計画の実施
- モニタリング及び測定の管理
- 製品及び工程の不適合の管理
食品安全のCHECK
- 検証活動の結果分析
食品安全のACTION
- 食情報並びPRPs及びハザード管理プランを規定する文書の更新
まとめ
ISO22000:2018で要求される2つのPDCAは以上の内容でした。
食品安全に特化したPDCAを管理することと、マネジメントシステム全体のPDCAを回すことで
より盤石な食品安全組織を目指すというものです。
ざっくりマネジメントシステムのPDCAだけ回していても食品安全の向上にはつながりにくいということは、食品工場でISO9001のみ取得している工場などでよく発生してしまうことですよね。
私がかつていた組織もそうでした。
なので、こうした事態が発生しない様に2つのPDCAを確実に回すことで、実業務とISOが乖離しない様にすることが求められているのです。
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