HACCPが義務化になった流れを受けて、多くの食品メーカーや飲食店がその準備に向けて動き出さざるを得ない状況になっています。
しかし、そんな中で
食品メーカーや飲食店はどうしたらいいんだろう?
この様に困っている方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事ではHACCPがどういうものなのかについて解説して行きます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開催されることもあり、アスリート、サポート、IOC関連、観客など約1000万人が日本に来ると予測されています。
8月という食中毒が最もヤバい時期に日本国内にこれだけの人が来るわけですから、国としてはオリンピックを成功させるためにも2020年の6月には日本にHACCPを極力根付かせたいわけです。
Contents
「HACCP」とは何なのか?
HACCPは「Hazard Analysis Critical Control Point」の略で、日本語で言うと「危害要因重要管理点」といいますが、ぶっちゃけこんなことは知っていてもあまり役には立ちませんが一応書いておきます。
大事なのは製造された商品が安全であるということをデータで残して出荷するというものです。
本来であれば「より安全な食品を届けたい」と思うのであれば、製造した食品は全数検品全数検査してその結果が出てから出荷したい気持ちがありますよね?
でも実際そんなことしたら世の中に出す商品がなくなってしまいいます。
だから組織の中で原材料の持っている危険性を把握して、それらを工場から商品として出荷する時は
「肉は原材料の状態では食べられないものでしたが、もうそれらの危険性は加熱工程、冷却工程でとりましたよ!商品として食べられますから安心してください!食べ方も書いてありますからそれに沿って食べてくださいね!」
と言える仕組みがあるということ、簡単に言うとこれがHACCPです。
実際にどうやって危険性を取り除いたことを証明するのかは、別の記事で詳しく書こうと思います。
HACCPの歴史
次にHACCPが作られた歴史です。
はじまりは宇宙産業
実はこのHACCP、 米国で1960年代に実施された「アポロ宇宙船計画」の宇宙食の安全製造のために開発された規格です。
宇宙飛行士の仕事は宇宙で長期間様々な実験やサンプリングを行い地球に帰還するというものです。
莫大な資金を使って命がけで宇宙空間まで行ってもらったわけですから、宇宙空間では健康に生活して確実に仕事をして帰還してもらうことが重要になります。
せっかく宇宙まで行って人類の進歩に関わる偉大な実験やサンプリングをしてもらうために宇宙に行ったのに、「宇宙空間で食中毒になっちゃったよゴロゴロ。。」とかホントシャレになりません。
そこで彼らに安全な食事を提供するために作られたのがHACCPです。
米国で根付かせようとピルズベリー社が奮闘!
アポロ計画の宇宙飛行士を食中毒から守るために、ピルズベリー社のBauman博士らがNASA(米国航空宇宙局)及び米国陸軍Natick技術開発研究所と1959年から、1971年にNational Conference of Food Protectionで概要を公開しました。
この当初は微生物危害防止(簡単に言うと病原菌やウイルス、寄生虫などによる食中毒のこと)を目的として開発されたものでしたが、今日では
・化学的危害(アレルゲンや洗剤の残りなど)
・物理的危害(ガラス片、金属片、石な食べたら怪我に繋がるもの)
も管理する項目として考慮されています。
HACCPシステムを考案した米国では1973年にFDA(食品・医薬品管理局)により低酸性缶詰食品のGMP(適正製造規範)の中にこの方式が取り入れられたのです。
しかしこの時にはHACCPは注目されなかった
しかしこのHACCPシステムは一部の大手企業で導入されたにすぎず、画期的なシステムであったにもかかわらずここでは大きく普及しなかったんです。
なんか死後に評価される哲学者のようですね涙。
1985年から米国で本格的にスタート!
米国科学アカデミーの食品防護委員会が、食品生産者に対して積極的にHACCPを導入すること、行政に対しては法的強制力のあるHACCPシステムの採用を進めたことから一気に注目されます。
1995年以降は米国ではこのガイドラインに基づいた法律が施行され、まさに法的強制力をもった規格となりました。
HACCPの歴史に関しては以上になります。書くことが多いので別の記事で更に詳しく書いてみようと思います。
全ての企業が柔軟にHACCPに対応できるわけではない
しかし当然国内すべての食品メーカーや食品を扱うお店がすんなり対応できるわけではありません。
それ以前にHACCPに対する様々な疑問があるのが実際のところなのではないでしょうか?
例えば
・HACCPってなに??取得することで世間にどんなことが主張できるのか?
・「義務化」と言われてもどこまでやればいいのか?
・HACCP認証の国内の仕組みはどうなっているのか?
・お金がかかるばかりで大手しか取り組めないのではないか?
こんな疑問があるかと思います。
私も最初に食品メーカーで働いていた時期は恥ずかしながら全く分かりませんでしたが、最初に働いていた食品メーカーで、何回か認定審査やサーベランス審査を受けて勉強しました。
社内の様々な工場の内部監査や審査のお手伝いを100案件近く担当させて頂き、仕事を通じて仲良くさせて頂いているISO主任審査員やコンサルタントの先輩方にご教授頂く。
これらを積み重ねるうちに徐々にHACCPを社内で根付かせるにはどうすればいいのかを直に学ぶことができました。
超泥臭くて地道でした。。
飲食店もHACCPを導入しなくてはならない
食品メーカーが導入するHACCP管理とは異なりますが、飲食店もHACCPの考え方を取り入れた対策を取る必要があります。
飲食店のHACCP義務化対策については以下記事にまとめます↓
飲食店のHACCP義務化対策について解説!
まとめ
以上がHACCPについての解説でした。
非常によく考えられたシステムで、しっかり運用すれば何かあった時にも自組織をデータで守ることが出来るというのがポイントです。
是非これを機会に導入してみましょう!
具体的な方法については別記事でまとめます。
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