これらの期限が過ぎた場合はどちらも食べられなくなってしまうって認識を持っている人がほとんどではないでしょうか?そこで消費期限と賞味期限の違いについて解説していきたいと思います。
【自己紹介】
はじめまして、磯次郎と申します!
前職は大手・中小の食品メーカーで働き、
・商品開発
・社内工場のISO9001・ISO22000・HACCPの構築
その後、経験を活かしてコンサルタントとして活動中です!
大企業・中小企業問わず、数多くの経験を積ませて頂いてきました。
当ブログでは、話を聞く中で皆さんが特に疑問に思われていたことについて解説させて頂こうと思います。
Contents
消費期限と賞味期限の違いを知ることで、消費者の方は
どこまでが安全でどこまでが不安全なのか
を見極めることができ、結果的に無駄な廃棄が減るのではないか?と思った為です。
日頃冷蔵庫の中を見ている時にこれらの期限を目の当たりにして廃棄するか否か悩む方はたくさんいると思います。
食品ロス削減の観点から考えると、これらの言葉の意味を知っておくと無駄な廃棄が少なくなってよいと思いますので節約の為にも是非知っておきましょう。
農林水産省も食品廃棄の視点から、消費期限と賞味期限の違いを把握することをオススメしています。↓
お店で買った食品には、安全においしく食べられる期間があり、袋や容器に「消費期限」か「賞味期限」のどちらかが表示されています。意味は少しちがいますが、食品を安全に、おいしく食べられる期限を表しています。そのちがいを知って、健康を守るとともに、買い物をした時や家の冷蔵庫の中にある食品の表示をよく見て、いつまで食べられるか確かめるようにすれば、食べ物をむだにすることもありません。食品をむだにしないことは、地球の環境を守ることにもなります。キーワードは「もったいない」です!
出典:農林水産省ホームページ「消費期限と賞味期限」
消費期限とは、所定の方法(メーカーが設定した方法)で保管した場合において、腐敗、変敗、その他品質の劣化により安全性を欠くことがないと認められる日付を指します。
つまり、指定した管理方法(冷蔵保管が必要なものなら冷蔵保管など)で保管した場合に、
「〇〇年〇月〇日までは食べたり飲んだりしてもダイジョブですよ」
ということです。
↓消費者庁では以下の内容で定義しております
「消費期限」とは、定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日のことで、開封前の状態で定められた方法により保存すれば食品衛生上の問題が生じないと認められるものです。このため、「消費期限」を過ぎた食品は食べないようにしてください。
出典:消費者庁ホームページより引用
基本的に消費期限を過ぎたものに関しては、例として以下のリスクがあります
等のリスクが高まります。
消費期限の設定には賞味期限の際と同じように、
を実施して、その結果をもとに設定します。
但し、現在では使用する原料にすべて品質規格書が付いてくるので、似た原料を使用した商品に関しては消費期限が設定しやすいという点もあります。
よって、開発段階で使用が決定した段階で虐待試験(加速試験)にかけて、消費期限・消費期限を設定する流れになります。
虐待試験(加速試験)とは、商品設定よりもあえて過酷な状況に商品を保管して、商品の状態の変化を定期的に見ていくことです。
商品の劣化スピードを早める試験なので、劣化のスピードの指標を得ることが出来るわけです。
例えば「常温保管」を基本設計とする商品であれば、35℃や40℃で湿度か高い環境に商品を置いて試験するなどです。
手法に関してはメーカーのノウハウもあるのでバラバラですが、一般的に書籍等で概要は手に入ります。
賞味期限とは、その期限をすぎたからといって食べたら食中毒などの食品危害が発生してしまう期限ではなく、
予めメーカーが設定した品質の許容範囲が保証できる期限のことを指します。
よって、その期限を経過したからといってすぐに捨てなくてはならないわけではありません。
重要なのは、賞味期限は「保管条件」を守った際の場合の期限ということです。
なので冷蔵品を常温で保管しておいた場合は、賞味期限内であっても食品危害が発生する可能性はあります。
保管方法については商品の裏面に記載されています。
「未開封」の状態であれば、売り場に並んでいる温度帯が正しい保管条件ということになります。
但し、開封後は商品が空気に触れることになるので、食中毒菌の発生や使用している油脂の酸化など様々な危害にさらされることになるので出来る限り早めに消費することが望まれます。
賞味期限の過ぎた商品から本来発生しないはずの
酸敗臭や、糸引きが見られたり。明らかに色が悪くなっているなど
の状況を見つけた場合、破棄しましょう。
保管条件を守っていたのにこの様な現象が発生した場合はそのメーカーに問い合わせるのもお互いの為かと思います。
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。スナック菓子、カップめん、チーズ、かんづめ、ペットボトル飲料など、消費期限に比べ、いたみにくい食品に表示されています(作ってから3ヶ月以上もつものは「年月」で表示することもあります)。この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。色やにおい、味などをチェックして異常がなければ、まだ食べることができます。もし、賞味期限が過ぎた食品があったら、大人の方とそうだんしてから食べましょう。 食品は表示されている保存方法を守って保存しておくことが大切です。ただし、一度開けてしまった食品は、期限に関係なく早めに食べるようにしましょう。
出典:農林水産省ホームページ「消費期限と賞味期限」より引用
消費期限と重複しますが、食品メーカーでは主に
を行って賞味期限を確認しております。
消費期限を決める段階の虐待試験(加速試験)で賞味期限の許容範囲(どこまでを良品とするか)もあたりがつくので、ここは同時に進められるところかと思います。
商品の仕様が決定した際に、発売までの間に虐待試験をかけて賞味期限を設定するのです。
この虐待試験は通常商品がお店の棚や家庭に置かれる保管条件よりも過酷な条件で商品を保管して、味や色調の変化などを確認するというものです。
そこで「虐待試験で〇〇週まで問題ないので、それよりも良い条件であれば、〇〇週間商品が持つであろう」という予測ができるということです。
もしくは使用している原料が似たものであれば賞味期限のおおまかな当たりを付けることが出来ます。
以上が消費期限と賞味期限に関する内容です。
消費期限の方が賞味期限より厳しい期限であることがお分かりいただけたかと思います。
消費期限:弁当、洋菓子、豆腐など
賞味期限:ハム・ソーセージ、スナック菓子、缶詰など
消費期限として記載すべき食品、賞味期限として記載すきべき食品などもイメージしやすくなってきたのではないでしょうか!??
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