カレーなどで発生するウェルシュ菌食中毒とは?症状や予防法、治療について解説

少し前になりましたが、弁当工場でウェルシュ菌食中毒が発生。

食中毒の少ない冬場ですが、冬場だからこその油断があるものですね。

時々出るこの食中毒ですが、今思えば

幼少のころ給食を食べてみんなで腹痛を起こした記憶があります。

現代ほど大きな騒ぎにもならなかったのですが、大量調理施設ではよくあることなんですよね。



カレーなどで発生するウェルシュ菌食中毒とは?症状や予防法、治療について解説

ウェルシュ菌の特徴

ウェルシュ菌は人や動物の腸管や土壌、水中など自然界に広く分布している食中毒菌で、性質として嫌気性という「酸素を嫌う」菌です。

人の腸管内で増殖し、菌が発生する

エンテロトキシンという毒素によって食中毒を引き起こします。

健康な人でも腸管内にこの菌をかなり保有しており、健康な人の体からも15~25%の割合で検出されます。

ウェルシュ菌を多く保有する食品では特に

食肉(牛肉・豚肉・鶏肉など)の汚染度が高い傾向にあります。

熱に強い芽胞という種の様な形状になり、これが100℃で4分以上の加熱でも死滅しません。

また食品の温度が50℃から55℃以下になると芽胞が発芽して急速に増殖を始めますが、10℃以下では発育しません。

さらに冷凍環境ではウェルシュ菌は時間の経過とともにすこしずつ減っていきますが、芽胞に関しては冷凍環境でも生存率が高いのが特徴です。

なので、ウェルシュ菌の食中毒を減らすのであれば、調理後にできるだけはやく10℃以下に持って行くことが重要です。

発育可能のpHは5.5から8.0で、pH5.5以下では発育できません。

塩分は5%から6%でも発育可能です。

ウェルシュ菌食中毒の症状

潜伏期間は6~18時間で、ほとんどの場合12時間以内に症状が出ます。

潜伏中

症状としては腹痛・下痢がほとんどで、嘔吐及び発熱の発症率は少ないようです。

この下痢も1から2日で回復し、一過性で軽く、後遺症等も残りませんが、学校給食などで度々生じてよく報道されえている食中毒です。

学校給食などの大量調理施設でつくられた食品で生じることがあるので、別名給食菌などと言われています。

原因食品として

肉類、魚介類、野菜の煮物、仕出し弁当、給食、煮込んだカレー

が挙げられます。

ウェルシュ菌は圧力鍋調理で防げるのか??

耐熱性菌のウェルシュ菌ではありますが、圧力鍋による高温調理なら死滅するのか?というところですが、これも圧力鍋で調理しても安心はしきれないといのが結論です。

圧力鍋では100℃以上の調理が可能となるそのため15分以上圧力鍋で加熱することでウェルシュ菌を殺菌することができると考えられています。

ただし圧力鍋内の温度が実際に何度なのかは測定することができないので、加熱条件以上に、速やかに冷蔵保管することが重要になります。

ウェルシュ菌食中毒を防ぐにはどうすればいい??

加熱も重要ですが、重要なのは出来上がった食品を速やかに冷却することです。

  • 十分な加熱
  • 加熱流量後に速やかに冷却
  • 早めの消費




加熱後の急速な冷却が重要である理由は?

20℃~50℃の温度はほとんどの微生物の生育にとって生育しやすい温度帯です。

したがって加熱後の冷却で、この菌が生育しやすい温度帯を

できるだけ短時間で通過させること

が微生物の増殖を抑えるために重要となります。

厚生労働省が交付している「大量調理施設衛生管理マニュアル」では

  • 30分以内に20℃付近まで冷却
  • 1時間以内に10℃付近まで冷却

と定められています。

ウェルシュ菌に汚染された食品は「におい」などで判断がつくのか?

ここがこの食中毒の厄介なところです。

ウェルシュ菌は汚染していても見た目も臭いも変化させません。

食品が糸を引いていたり、酸敗臭がするのであればこの食品は食べたらまずいな。。

と判断がつくのですが、ウェルシュ菌はそのような特徴がないため判断することができません。

ウェルシュ菌にかかってしまったときの治療方法について

ウェルシュ菌食中毒は

2日ほどで治ることが多く重症化することはそれほど多くありません。

そのため下痢をしている最中には経口保水液等による脱水予防などの対処方法がとられます。

子供や高齢者等は重症化しやすいため、経口摂取がままならず脱水が進行する場合には点滴による治療介入が必要となることがあります。

ウェルシュ菌食中毒に関しては発症予防策を講じることが最も重要になります。

但し、この食中毒の傾向として、ウェルシュ菌による食中毒だと判明した時点で既に症状が良くなっていることが多いことになります。

冬場であっても食品の取り扱には気を付けましょう!

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