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小学校の頃から「ふぐには毒がある」と聞いたことがある方は多いと思いますが、今回事件があったので食品安全の観点から解説しようと思います。
食品業界にいる方は聞いたことがあるかもしれませんが、ふぐの毒は「テトロドトキシン」という神経毒です。これはかの有名な「サリン」と同じ種類の毒で、摂取した量によっては十分死に至ります。
神経毒は人体に入ると神経伝達を阻害・遮断するため、身体のあらゆる部分に麻痺を引き起こすというメカニズムの毒です。
神経伝達というと有名な物質に「ノルアドレナリン」と「アセチルコリン」がありますが、例えば心拍数の調整はこれらの伝達物質が分泌されることで上下しますが、神経毒はこれに作用します。
よって、最終的に脳から出る「呼吸して」という信号を遮断させて呼吸困難に陥るのです。
サルモネラ菌など、食中毒菌そのものが食品中にいることで問題になる食中毒とは異なり、ふぐの「テトロドトキシン」の場合は、毒素型の食中毒になります。
テトロドトキシンは調理によて無毒化するものでもなく、6時間以上の煮沸でようやく分解が始まるほどの熱抵抗性があります。また怖ろしいのが「やべェ!苦しい!」となって解毒しようとしても、効果的な解毒物がないので、摂取した場合に確実に中毒をおこすわけです。
今回の事件はふぐを捌いた人が専門的な知識を持っていない人だったとのことなので、たとえ問題のある部位を本人が取り切ったと思っても、毒が食べた一部に残ってしまったものだと推察されています。
しかし食中毒として実際に問題としなければならない点は毒の強さだけでなく、摂取した毒の量だと言われています。
つまり毒が少ない部位であっても、食べる量が多ければそれだけ毒が体内に入ることになるので非常に危険です。
ふぐを捌くにはふぐに関する深い知識が必要になります。
理由はふぐの種類によってテトロドトキシンの偏在場所が異なり、それに伴って捌き方が変わるからです。
一般的に卵巣や肝臓が最も危険だと言われていますが、ふぐの個体差、季節や海域によっても毒性の強弱が変わってくるのです。
ふぐを捌く場合はそれだけの情報量が必要だということです。
また、ふぐの切り取った臓器やその周辺の毒が付着している可能性のある部位に関しては、施錠管理されます。
破棄したとに何らかの表紙にテトロドトキシンによる厨房の2次汚染があった場合、提供される他の食材全てが汚染されるからです。
食品危害には生物学的、化学的、物理学的危害がありますが、今回はその中でも生物学的危害の話です。
自然界にある毒って実はかなり怖ろしいですよね。
ふぐだけでなく、青梅に青酸が含まれているなど、、身近に危険はたくさんあります。
私は小さいころに家のすぐ横に梅畑があり、実のにおいがあまりにもいいために食べようとしていたことがありましたが、「きたないぞ」と言われて何となく食べるのを辞めた記憶があります。(命拾いしました笑)多分両親からも梅が危険だという教育も受けたことないですし、学校でも特に教わっていません。
よくよく考えると非常に危険です。今回のふぐ毒も知人が釣ってきて捌いたとのことことなのですが、こういった教育は少しあってもいいんじゃないかなと感じました。
野生動物は何に毒が合って何に毒がないかを判別できるといいますが、人間は毒があるものも知らずに食べてしまうケースはたくさんあるかと思います。
おそらく小学校の時の私なんて情弱ボーイの情弱ホイホイだったので、今生きているのが奇跡であるといっても過言ではないのです。
然毒については家庭や学校で教育される必要があるかと思います。まずは口に入れる食品からどんな食材にどんな毒があるのかは知っておいて損はないと思います。
今回のニュースはふぐ毒でしたが、動き回って何でも口にしそうな年頃のお子さんがいる家庭は特に注意した方がいいよなあと感じたニュースでした。
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