ここ最近様々な企業様へ訪問させて頂いて感じるのが、少品種大量生産の工場は非常に自動化が進んでいるということです。
一昔前までは、パレットにカートンを積むロボットなど、ザックリとした作業が専門のロボットしか見かけませんでした。
しかし、最近はかなり細かい作業まで可能なロボットもあり、技術の進歩にただただ驚かされます。
Contents
ロボットによる工場の自動化に伴うメリット・デメリット・課題について
食品工場に限った話ではありませんが、ある程度まとまったロットを生産する工場ではロボットによる自動化が進んでおります。
そこで今回は、ロボットを導入することで得られる
メリットとデメリット・課題
についてみていくことにします。
自動化することで発生するメリット
少品種大量生産が可能な工場に関してはその商品専門の向上を建設して運転している組織は多いです。
自動化することで発生するメリットには主に
- 人件費の削減
- 品質のブレが少なくなる
等があります。
つい最近までは単価の高い日本人に代わって、インドネシアやタイ、ネパール、ベトナムなどの留学生や出稼ぎで来られている方を採用している企業さんが多かったのですが、
最近は学生のアルバイトですら人件費が高い傾向にあります。
私が以前働いていたメーカーでも、外国人の方は非常に多くて働き者の方が多かったです。
ただ単価が徐々に高騰してきて派遣会社と常に価格交渉をしていた記憶があります。
そこで人間が行っていた作業をロボットが代替えできれば、人件費は大幅に削減できるのです。
自動化することで発生するデメリット
自動化で発生するデメリットには以下の内容があります
- 不良品が発生していた場合、大幅なロスが発生する
- 専門知識を持った人材が育たない
- うまく機能しないと仕掛品・不良品が多く発生する
- 繊細な作業は不可能(今のところ)
特に、自動化した工場でロボットに何かトラブルがあった場合が問題です。
製品化されたものに問題が発見されるまで、そのラインでは凄まじい勢いで不良品が量産されることになります。
不良品が発生しても、ロボットのエラー履歴とトレーサビリティーの合わせ技で問題発生時のロットを追えれば、後の良品不良品を分別するのは可能ですが、
エラーの内容が不明確で、どこからが良品でどこからが不良品かの境目が分からなければ、かなりの損失になります。
このような時に製品やロボットの様子がおかしいとすぐに分かる程教育されている人員がいればいいのですが、そういった判断ができる人材がいない場合は見分けを付けるのは難しと言えます。
最も大きいのが自動化に伴い余剰となった人員をどうすべきか?という問題
メリットとして人件費を削減できるという例を挙げましたが、実際にほぼ完全に自動化がされている工場に関しては、巨大な工場の中でオペレーター(ロボットを操作する人)しかいません。
ビックリするほど人が少ないです。
その企業様が困っていたのは、ロボット化が進み人手が必要なくなってきてしまった際に、
一度雇用した従業員をどうするかということです。
定期的に入れ替わるアルバイトで組織も運営されているわけではないので、
「閑散期だから休んでください」
とも言えないわけです。
多品種少量生産の向上であれば、自動化は難しくて、随所で人の手が必要な場面もあります。
しかし大量生産が前提の製品を製造する工場についてはそこで働いていた従業員はどうすればいいかという問題は大きいわけです。
転勤させてもそれぞれの家族の都合もあることから離職率は上がるわけで、その企業様が下した結論は
残りの時間を社員の教育に充てるということでした。
具体的な内容はここで書くことはできませんが、通信教育程度のレベルではなく、
かなり広範囲かつ高度な教育
をされていたのでかなり驚きでした。
教育の内容も時代の流れに沿ったものを選択されているとのことです。
まさに工場が自動化できて人の手が空いた分、人間はロボットが出来ない新しいことにチャレンジするといった取り組みで非常に興味深かったです。
ロボットによる工場の自動化に伴う課題
課題としては、工場の自動化が進んだ中でも
ロボットに何かトラブルがあった際にも対応できる人材を育成することです。
また高度な人材であれば、
- ここのラインにはセンサーを追加して不良品をなくそう
- カメラを付けて次工程に確実に良品しか行かない仕組みに出来ないか?
といった内容を提案して、自分でロボットに不足しているセンサーを追加して取り付けたりしているのを見かけます。
特に叩き上げの中小企業の工場にそういう方は多く、彼らは必要なセンサーを自分で取り付けたり、制御機器メーカーに「こういうセンサーが欲しい」などと具体的な注文が出せるのです。
これは経験がないとなかなか出せないオーダーです。
自動化が進んでも、こういった人材を輩出できるような教育がこの先の課題になるのではないかと強く感じます。
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