今回はISO22000について簡単に分かりやすく解説したいと思います。
本記事では以下の方を対象にしています。
・ISO22000ってどんな規格なの?
・これまで食品安全にはHACCPがあったけど、ISO22000とは何が違うの?
・今まで通りHACCPじゃダメなの?
こういった疑問にお答えいたします。
元々ISOとは、国際標準化機構というスイスに本部を置く非営利法人のことで、実に多くの規格があり、その数はなんと20000を超えます。
Contents
ISO22000とは何か?
ISOは国際標準化機構で様々な規格があることは先に述べましたが、その中でもISO22000は食品安全に関わる企画です。
よく街で「ISO9001認証取得」という看板を見た事があるかと思いますが、このISO9001は品質に関する規格で、ISO規格の核となるものです。
ISO9001については以下記事をご参照ください。↓
このISO9001の考え方をもとに、食品安全に特化した規格として作られたのがISO22000の食品安全システムです。
つまりこのISO22000は、HACCPにISO9001の考え方をプラスしたものです。
ISO22000にしなくても、HACCPだけでもいいのではないか?
もともと食品安全のシステムとして独立していたHACCPがあるのにどうしてISOにわざわざ変更しなきゃいけなかったのかと言うと、HACCPシステムだと安全な食品提供に不十分な業者が多かったからです。
食中毒菌のハザードを厚生労働省の資料などで見ると、
・カンピロバクター
・サルモネラ
・腸炎ビブリオ
・黄色ブドウ球菌
などによる食中毒の発生はここ数年あまり減少していないのが現状です。
これらの食中毒は重篤な症状には直接つながりませんが、これらが発生するということは管理に問題があるという指標であり、重篤な食中毒に繋がるリスクがあることを指しています。
最近では新しい食材や、西洋の食材を誰しも手軽に手に入れるようになったので、リステリア菌などの比較的新しい病原菌も国内で報告されるようになってきました。
現在はコンビニエンスストアなど流通が発達することで、非常に便利な世の中になりました。
しかしそれは裏を返せば、それは悪いものも効率よく運ばれてしまうということです。
これらを確実に押さえ込むためには、HACCPシステムの確実な実施が最も有効であると考えられています。
重要なのはHACCPに食品企業がどの様に取り組んでいるか
HACCPシステムは、食品の製造や流通販売などの工程におけるハザードを予測して事故を防止するための手法としては非常に優れたシステムです。
HACCPについての解説記事は以下を参照してみてください。↓
【HACCP誕生から歴史についての記事】
【HACCPの内容を簡単に解説した記事】
しかし、それを実行するためのマネジメントについて不十分な点があると指摘されてきました。
つまりそのマネジメントがうまくいかないとHACCPシステムもうまく回っていかないのです。
そこでその点をカバーするためにHACCPシステムに品質マネジメントシステムの規格であるISO 9001の考え方をくっつける考え方が取り入れられ始めました。
HACCPとISO9001の融合によりISO22000が完成する
先ほど重要なのはHACCPに対して企業がどのように取り組んでいるのかが食品安全には重要であると述べました。
ISO22000では、この取り組み方をISO9001で管理するという考え方です。
ISO9001は、安全性を含む製品の品質を組織全体で管理し、常に改善していくための仕組みを要求しているものですので、HACCPの考え方を日々改善していくシステムになるのです。
そこで食品の安全確保のためのHACCPシステムと、品質マネジメント全体に関わるISO 9001を融合したシステムの必要性が提唱されるようになり、ISO22000が完成したのです。
少し前にはなりますが、ISO22000は2018年に規格の更新をしています。
ここでは更にISO9001に沿った管理が出来るように、要求事項の章立てを合わせたり、PDCAについて強化された内容になっています。
まとめ
今回はISO22000について概要を解説させて頂きました。
より詳しく学びたい!ISOのスペシャリストになりたい!という方にはまず以下の書籍がオススメです。
まず以下の2冊では全体像を学ぶことができます。具体的な組織の事例は出てきませんが、ISO22000:2018の規格要求事項について網羅的に学ぶことが出来るオススメの書籍です。
組織の具体的な事例が記載されており、かなり理解がしやすいです。より実践的な書籍と言えるので、ISOの事務局の方には特におすすめです。
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