食品における安心・安全は、私たちや取引先に安心だと思わせる根拠が必要です。そんな時に役立つのがJAS法です。
今回はそんなJAS法がどの様な法律であるかを解説致します。
本記事は以下の方を対象にしています。
・JAS法について知りたい
・JAS法のメリットは?
・JAS認証を得るにはどうすればいいの?
以下で解説して行きます。
JAS法とは?
まずJAS法についての概要です。
JAS法とは日本の国家規格のひとつで、正式名称「日本農林規格等に関する法律」のことです。
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私たちが商品を手に取った際によく目にするものにJASマークがあります。
食品にはこういったマークが付けられていることが多く、食品容器包装の識別マーク(缶分別)、特定保健用食品のマーク、公正マーク、スマイルケア食のマークなど実に様々です。
絶対にマークを付けなくてはいけないのかというとそうではなく、これらは任意です。
特定保健用食品としての機能性があってもそれを表示せずに加工食品としての表示義務のみで販売することは可能ですが、せっかく機能を謳うのであれば消費者の目を引くようにマークを利用しない手はないでしょう。
現在JAS制定の中心は加工食品ですが、以前はわら加工品など一次加工品の規格を定めるものとしてスタートしました。
JAS法が作られた目的
まずJAS法が作られた目的についてです。
終戦時、全く物がなかった日本にも少しずつ物品が出回るようになってきました。
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映画でヤミ市などを見たことがあるかと思いますが、まさにあの様な感じから始まり徐々に食料を始め様々な物品が出回るようになってきます。
そして、同時に問題になったのは粗悪品が出回ったということです。
祖父からその当時の食糧事情を聴いたことがあるのですが、かなり劣悪な状況だったそうです。
このままではまずいと思った日本が食品衛生の改善に取り掛かり、一定の品質を満たした商品を消費者が選べるようにすることを目的に作られたのがJAS法なのです。
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JAS法の経緯
次にJAS法施工後から現在までの経緯についてです。
1950年に制定された当初は、JAS法という名称ではなく「指定農林物資検査法」という名称でした。
JAS制定の中心が加工食品に移ってきたのは1961年以降のことです。
そして1970年にJAS法に改正され、食品の規格(JAS規格)を定めるものと品質表示基準を定めるものとして運用され始めます。
現在はJAS法のうち、品質表示基準については食品表示法に移行しています。
これまで食品表示を定める法律はJAS法を始め、食品衛生法、健康増進法にまたがっていたので非常に理解しづらく、食品表示専門の法律である食品表示法にまとめられることになりました。
一方、JAS規格とは、農林物資の品質の改善、生産の合理化、取引の単純公正化、消費の合理化を図るための制度です。
JAS規格制度とは?
JAS制度規格とは、農林水産大臣が制定した品質基準に達した製品にはJASマークを付与するというものです。
つまりJAS制度規格に合格するには審査が必要になるのです。
JAS規格制度の対象品目には
・酒類、医薬品などを除くすべての飲食料品および油脂
・農作物、林産物、畜産物、水産物
・これらを原料として加工した物質で政令により定められたもの
以上があり、国産品、輸入品全てが該当します。
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JAS規格は最初1次加工品や、それにちょっとした加工をしたもの(わら加工品など)に限定されており、規格の内容としては品位、成分、性能、生産方法などの品質に関する基準を制定することです。
表示については現在は食品表示法に移行していますが、かつてはJAS法に組み込まれていました。
一般消費者の商品選択の手助けとして特定品目の農林物資について全ての製造業者に適切な表示を義務付けており、
消費者が判断しにくい食品表示については、JASの品質表示基準に基づいて表示する義務になっていました。
国がJAS制度に昔から力を入れてきたこともあり、最近では学校給食や公共建設工事などの資材調達の判断材料としてJAS適合品か否かが判断基準とされるようになってきており、JAS法が社会のシステムに浸透しています。
2018年からJAS法が改正され、これまで食品や農林水産物などモノに限定されていたのが、その生産方法(プロセス)や取り扱い方法(サービス等)、試験方法にも拡充され、それに伴いJAS認証の仕組みも改善されました。
国際基準に適合する試験機関としての登録試験業者制度も創設されています。
2018年の法改正では、海外との取引円滑化、輸出力の強化に資するよう、JASの国際化の推進をはかる目的で計画されています。
まとめ
今回はJAS法について解説致しました。
食品の安心安全の為には、国のガイドラインに沿った製造方法で作られているものであれば安心できますよね。
その組織自己流の製造方法で製造されていた場合、食品安全の認識が甘かった場合大きな事故にもつながりかねないですからね。
食品表示でJASマークを見た際はそういった経緯があると感じながら食品を選ぶと楽しいかもしれません。
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